vol.17【 左官について 】

その昔、家を建てるのには大工と左官があればすべてまかなえました。建築様式の変化により、近代以降、屋根・塗装・内装と左官などに分かれ、現状では27職種とも言われています。 左官の素材は、古来より地場およびその近隣で産出された土と石灰が中心でした。

従って、その地方独特の壁が町並み形成に大きな影響を与えてきました。土は主に町家建築、数奇屋建築の土物壁として、石灰はしっくい塗りを中心とした土蔵、城郭建築に使用されてきました。

しかし、明治以降は輸送手段が整い、左官素材は多岐にわたり、自然素材の加工品や工業製品と多種多様になりました。