vol.12 (2006/3月)

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耐震偽装問題発覚!木造は大丈夫なの?


昨年末に耐震偽装問題が発覚してからというもの、改めて地震と建物の関係に注目が集まっています。今回の問題ではマンション建設の際の鉄筋の量や筋交いに大きな着眼点になりましたが、木造住宅も他人事ではありません。

重く固い鉄筋とコンクリートに比べると、木材は軽い、やわらかいという特徴があるため、素材としてはもろいと言えるかもしれません。以前の大丸ニュースでもお伝えしましたが、木造軸組構法では木と木を組み合わせることによって粘りと強度を出し、大きな地震が来た時には柔軟に変形することで地震に耐えるのです。

阪神・淡路大震災の時は多くの木造住宅が倒壊したため、「木造住宅は危ない」とさえ言われました。しかし、その後の調査で倒れた建物の多くはいわゆる「安普請」。住宅の大量生産によって生み出された「早い、安い」住宅がほとんどでした。 専門家に言わせれば「非常に華奢な構造体」。つまり、建物を支える柱や梁が細く、またその本数もとても少なかったといいます。

一方、中越地震では地震の規模からすると倒壊した建物は比較的少なくて済みました。豪雪地帯である中越地方は、雪の重量に耐えられるようなしっかりとした骨組みの家が多いからと言われています。

耐震偽装事件では、コストを抑え時間を短縮させるために、いちばん大切なところをないがしろにしていました。家を建てるには人件費、時間、材料費など、ある程度のお金と時間は必ずかかります。例えば立地、広さ、間取りからしてあまりにも金額が安い場合は、何かが犠牲になっている可能性があるのです。それが、人命に関わる重要な問題をはらんでいるのなら、企業の倫理としてあってはいけないことなのです。

大丸建設では、お客さまの住宅への夢を実現するために、なるべく「自由」な設計を可能にしようと考えています。ただし、間取りを重視するあまりに構造がおそろかになるようなことは絶対にしません(大丸で家を建てたお客さまならお気づきでしょう)。なぜなら、わたしたちはお客さまの命に対して責任があるからです。 家を建てるのは、人です。このような世の中だからこそ、「信頼」が何よりも大きなキーワードになるのではないでしょうか。

なんでも情報局

無垢の床に米ぬかワックス

無垢材の床はさらりと素足に馴染み、とても心地のよいものです。一般のフローリング建材のように塗膜で木を覆わないので、木の呼吸を妨げません。 そんな無垢材のメンテナンスに、ぬか袋はいかがでしょうか。昔は、木の床は米ぬかを入れた布袋で磨きこまれていました。何十年も経った木の床が、まるで鏡のようにピカピカしているのを見たことはありませんか?

これは、ぬか袋から米ぬかの油分がしみ出し、木に油分とうるおいを与えているから。磨きこんでいるうちに、徐々に光沢も出てきます。ぬか漬け、洗顔、そしてお掃除にと、昔の人は、米から出るぬかをいろいろなことに利用していたことがわかります。

時を重ねることで美しさを増すのは、自然素材ならでは。毎日磨くのはたいへんでも、例えば週に1度、おまじないのように続けるだけで、何年か後の輝きはまったく違ってくるはずです。楽しみながら、試してみてはいかがでしょうか。