【大規模リフォーム@調布】 ファイナル!伝統的建具

大規模リフォーム@調布 vol.13 最終回 建具のお話

 

厨房工事が終わり、工事としては一段落でしたが、締めくくりとして既存の建具の調整を行いました。古くなるとどうしても立て付けが悪くなり、動きが悪くなったりと使い憎くなってしまいますが、敷居滑りや戸車などを交換し、以前のようになめらかに動くようしていきます。

 

合わせて、こちらのお家では夏用建具が存在します。
葦戸(よしど)や簾戸(すど)などと呼ばれますが、障子の枠に、簾を組み込んだ感じの物です。

見るからに涼しげですね。

網戸が無かった時代に虫を避けつつ風通し良く涼しく住まう知恵だったのでしょう。現場監督も実際に見るのは初めてだったそう。

趣があって、外観にもマッチしています。

少し目隠しにもなりつつ、風を通す工夫が感じられますね。

 

そして、こちらは大阪障子と呼ばれる建具です。普段は障子が入っているのですが、障子の部分がケンドンになっていて、取り外し式なのです。

片側だけ外したものです。縦桟の格子になり、風が抜ける仕組みになっています。

今では滅多に見ることが出来ない、非常に貴重なものです。大切に使い続けていただきたいなと思っています。

 

縁側があるって素敵ですよね。

建具や梁など、古い物を最大限活かしたリフォームでしたので、趣はそのままです。

どこかの旅館を訪れたようです。

建具だけではなく、家具も大切に使い続けていらっしゃるお施主様。これからも大切に住みつづけていってくださると思うと、とても嬉しい気持ちになります。

 

これで、大規模リフォームの施工レポートはおしまいです。

引き続き、他の物件の施工レポートをお楽しみください!

現在【小柳町フルリフォーム】と【新築工事・高円寺の家】を随時更新中です。

【大規模リフォーム@調布】 厨房

大規模リフォーム@調布 vol.12 厨房ですよ

 

さて、こちらがbeforeです。こちらのキッチン、これからお菓子作りの厨房に生まれ変わります。

お施主さんは、調布市で蕎麦店をやっておられます。今回のリフォームで母屋にも手を入れて石臼挽き自家製粉のそば粉を使った焼き菓子店を今秋にオープンされる予定で、台所には業務用の厨房機器が入ることになりました。

 

厨房機器の入る箇所の壁はステンレスのキッチンパネルを貼り、床は水に強いシート系になりました。

ステンレスパネルではないところには、他の部屋と同様珪藻土「エコ・クイーン」を塗ります。

 

工事が終わるとすぐ、厨房機器が設置されました。

元々は扉も付いた吊戸棚だったのですが、今回は棚板のみに造り替えました。鍋などの比較的重量のある物を置くことを想定し、少し固めのタモの板で造りました。部屋の感じに合う様に茶色い自然OILで仕上げましたが、ちゃんと部屋に馴染んでいます。

無機質なステンレスキッチンと、茶色い木の家具や建具が素敵な空間を作り出していますね。

 

【大規模リフォーム@調布】 京壁の塗り替え

大規模リフォーム@調布 vol.11 京壁の塗り替え

 

古くなった京壁は、ぽろぽろと砂が落ちてきてしまったりします。また、壁の状態もこのままではわからないので、新しく塗り替えることになりました。

まずは、既存の京壁を剥がしていきます。昔は水だけを掛けてひたすらコテなどで削ったのですが、今は剥離材を使います。
剥離材を水に溶くとゼリー状になるので、コテで壁に塗ると徐々に壁材がふやけて削り易くなります。

塗っていきます。

 

剥離材を塗り、仕上げ材を剥がしてみたら、既存の土壁の状態が思わしく無かったので、京壁をぬる前に処理をします。

まず仕上げ材を剥がしたら土壁に一度ただの水を刷毛で塗ります。土に水を混ぜると纏まる様に壁にも水を塗ると土が締まります。

水を乾かしたらシーラーを塗って表面を固めたら石膏で下塗りをします。これで表面を面で補強する感じです。

下塗り材が乾いたら、京壁を仕上げていきます。

これで、強度も美しさもバッチリです!

 

 

 

場所は変わりまして、トイレの入り口。

既存の洗面所入り口引き戸を再利用しました。

実は、入っていたガラスが若干透けるのでトイレには使用出来ず、ガラスの入れ替えを考えました。

しかし、良いガラスが見つからず・・・ 透明ガラスに両面和紙(襖紙)を貼りました。

既存の建具なので、もちろん馴染みますし、和紙のおかげで見た目も光の漏れ方も柔らかく、とても良い感じに仕上がりました。

【大規模リフォーム@調布】 内装あれこれ

大規模リフォーム@調布 vol.10 内装工事あれこれ

 

前回、アクロバティックな天井の壁紙貼りをご紹介いたしましたが、天井は無事に安全に貼り終わり、次は壁です。このお部屋には、珪藻土を塗ります。

下地処理の様子。

下地処理後、珪藻土を塗っていきます。今回こちらの部屋に使用したのは、日本エムテクスさんの「天然スタイル土壁」です。

この商品は、マヨネーズ工場などから排出されて廃棄される予定だった卵の殻をリユースしている商品です。卵殻の成分は約94%が炭酸カルシウム。厚さは0.26~0.38mmで多孔質。その小さな穴は気孔と呼ばれ、脱臭や調湿の働きもあるんですよ。廃棄されるはずの卵をリユースし環境保護にも貢献します。

珪藻土壁材を使用する際に問題となるのは、つなぎの成分に化学物質が含まれていることなのですが、こちらの製品には、天然のつのまた糊が使用されており、安心安全な材料です。

さて、壁も塗り終わり、養生を剥がしました。

リフォーム前がどんな風だったか思い出せないほど、すっかり綺麗に仕上がりました。

他の部屋では、建具の吊り込みです。

とい

新しい建具と古い建具が並びます。

 

トイレも綺麗になりました。

素敵な照明器具ですね。収納もたっぷりです。

 

さて、ウッドデッキでは、大工さん手作りの物干し台を取り付けました。

樹脂製の物干しが多い中、木製だとデッキに馴染んでいますね。

もう既にご使用されています。

【大規模リフォーム@調布】 ウッドデッキ

大規模リフォーム@調布 vol.9 ウッドデッキなどなど

 

母屋の外壁、ナチュラルな木目も素敵だったのですが、周囲の壁との調和を考えて、茶色に塗っています。

格子も、茶色に。壁よりも少し黒い色味で、引き締まった印象になります。

 

離れの外部では、ウッドデッキの工事が進んでいます。材料は、セランガンバツ材という南洋材です。南洋材は洋風のお家に合うと思っていましたが、和風の家にも合っていますね。

そして、二日後には完成いたしました。合わせた色味の犬小屋も設置。

デッキでくつろぐワンちゃんの姿が見えてきそうです。

 

母屋内部では、天井和紙貼りの下地処理。やはり、総パテ状態です。

こちらの天井、一番高いところで、4.56mもあります。ですので、クロス貼り職人さんも一苦労です。安全には十分配慮しつつ、少々アクロバティックな格好で施工しています。

着々と、内部も外部も工事が進んでいっています。

【大規模リフォーム@調布】外部

大規模リフォーム@調布 vol.7

 

窓等の施工も終わり、離れの外の足場が外れました。

母屋の方では、内部では天井や壁の石膏ボード貼り、外部は板張り中です。

おしゃれなお店のようですね。

小窓には、杉の格子が。

この杉の無垢の色味もとても素敵なのですが、元々の外壁と同じように、焦げ茶のペンキ仕上げにする予定です。

 

離れの内部では内装が仕上がり、養生を剥がしてクリーニング中です。

築50年なんて信じられないくらい、ピカピカです。外の趣の在る風情と中のギャップに、訪れた人はもれなくビックリですね。

【大規模リフォーム@調布】左官工事

大規模リフォーム@調布 vol.6

 

天井は、和紙クロスを施工しましたが、壁はエコ・クイーンという珪藻土を塗ります。

左官工事の途中。エコ・クイーンは、パテを使わず専用の下塗り材を全面に塗布します。

拡大したものは、こちら。ザラザラした感じです。

下地がしっかり乾いたら、仕上げのエコ・クィーンを塗ります。今回は、漆喰のようななめらかな仕上がりのNSRにしました。NSRの後の4が色番号です。

仕上げ塗りの様子。壁の模様が左官ならではでいいですよね。壁紙には出せない味です。

塗り終わりました。まだ乾ききっていないので色ムラがあります。乾けば均一な色になります。

【大規模リフォーム@調布】和紙クロス

大規模リフォーム@調布 vol.5

 

離れの天井に選んだのは、土佐和紙です。

通常クロスや和紙を施工する際は、石膏ボードのジョイント部分やビス部分のみパテを掛けてから張ります。

でも、2枚目の画像で職人さんが貼っている部分ではない手前の部分が全面的に白っぽくなっているのが分かりますか?

これは、和紙を貼って頂く内田表具さんのやり方なのですが、今回は白っぽい和紙を選んだため、通常のパテだけだと張った後にパテの跡が出てしまう時がある(あくまでも時がある、出ない時、気にならない時もある)ので全面パテ(総パテ)を掛けてくれています。元々、石膏ボードの表面はベージュっぽい色をしていて(種類によってはピンクもありますが)そこにパテを掛けるとパテの跡は白くなります。この色の差が、和紙を張った後に目立つ時があるので総パテを掛けて全体的に同じ色にしておくことでパテの跡を隠すようにしています。

これが土佐和紙です。真っ白ではない、このニュアンスが素敵ですね。

気を遣って、しっかりと貼っていただきました!

【大規模リフォーム@調布】断熱しっかり

大規模リフォーム@調布 vol.4

 

今度は、母屋の解体後の様子です。

構造材はまだまだ丈夫で使えそうですね。

こんな立派な梁が出てきました!

お客様がこの梁を気に入ったので、隠さずに見せるように仕上げることにしました。

 

古い家なので、断熱材が入っておらず寒かったのですが、この機にしっかりと断熱材を入れます。

床下にも

壁にも。

 

そして、壁には下地を組みます。

趣のある土壁の外壁をの情緒を保つため、外はいじらず内側を変化させます。内側だけを壊すことができないので、多少部屋は狭くなってしまいますがこのように下地を組んで大壁工法(柱が隠れる工法)で仕上げます。

 

離れのキッチンでは、床をコルクタイルを貼っています。

コルクタイルを張る時は、使用する接着剤にもよりますが床面とコルクタイル床面の両方に接着剤を塗布して一定時間が経過した後に張り合わせます。(オープンタイムと言います)

オープンタイムの間、省スペースのためにコルクタイルを立てています。
ドミノみたいに倒してしまったら大変ですね(笑)

 

こちらの引戸は、廊下からリビングに入る引戸なのですが、改修前の物を再利用しています。


使える物を活かして使い続けるというのは、思い出も引き継いでいけるようで、素敵なことだなぁと感じます。

 

リフォーム工事なので、いろいろな工程が同時進行で進んでいきます。これからもお楽しみに!

【大規模リフォーム@調布】建具

大規模リフォーム@調布 vol.3

 

今回のリフォームでは、思い出のある古いものをなるべくいかそうということで、新しく造る建具と既存のものの再利用とが混在しています。

建具屋さんが、既存の建具を吊り込みに来てくれています。

微調整中です。

トイレの再利用の引き戸を吊り込んだ所です。

この引戸の引き手の上の丸い穴は、、、

今ではあまり見ないですね。一風変わったタイプの鍵です。

 

古い物をいかしつつ、新しい物も作ります。

杉で収納を造作しました。

今までは杉の無垢材で棚を造る時、側板に溝をついて棚レールを埋め込んでいました。今回は、扉がない収納ということで、地震の時に棚板がずれ落ちてくるのを防ぐ意味合いもあり、棚板を欠き込みずり落ちにくくしました。棟梁の案です!

 

さて、二階の床の下地を剛床下地に変更しましたが、その後、一階の天井下地を組みました。

壁には

断熱材が入りました。