2007年05月

vol.19 (2007/5月)

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跡継ぎ、いるんですか?

大丸建設は現社長の安田昭で5代目、明治初期から代々続く、老舗の工務店です。天才宮大工と謳われた石黒善太郎が建設業に携わったのが、大丸建設の始まりです。

2代目の石黒仙太郎も腕利きの建築家としてさまざまな足跡を残しました。東京墨田河畔の藤堂伯爵邸(大正12年の関東大震災で焼失)、飛鳥文吉邸など、歴史に名を残す建物を手がけました。昭和初期には3代目となる石黒善次郎が後を継ぎ、現在の大丸建設の礎となる「石黒組」を興しました。お客様のニーズに合わせた木造の注文住宅をつくる今のスタイルは、このころから受け継がれています。

昭和38年に株式会社大丸建設を創設、4代目の石黒善弥の従兄弟である安田昭が5代目として会社を引き継いだのが平成11年。

130年前の創業時から一貫して「木造の注文住宅」へのこだわりを持ち続け、今、次の世代である安田博昭・佳正兄弟がその志を引き継ごうとしています。私たちが何より大切にしているのが、工務店は建てた家よりも長生きしなければならない、ということ。

樹齢50年以上の木を使い、頑丈な構造で100年住むことができる家をつくっている以上、その家の面倒をずっと見続けなければならない、と考えています。なぜなら、その家のことを住まい手の次によく知っているのは、私たちつくり手だからです。

どんな材料を使ったのか、壁の中はどうなっているのか、天井の上や床の下、基礎や地盤など、プロでしかわからないこともあります。会社がなくなるようなことがあれば、お客様の家のカルテや情報は受け継がれないのです。

うれしいことに最近、「次の代が育っているなら安心だな。子どもの家も大丸建設で家を建てよう」と言ってくださるお客様もいます。木に囲まれて育ち、父、祖父…代々の「木の家」へのこだわりを幼い頃から見続けてきた子どもたちは、会社の思いを誰よりも強く感じています。お客様の夢、希望、思いがたくさん詰まった家。次世代に受け継いでいくためにも、大丸建設は次の100年まで続く会社でありたいと考えています。

なんでも情報局

水まわりの汚れにこれ一つ!アクリルたわしの不思議

丸や四角、ぼんぼん型など、毛糸のコースターのようなカラフルな布。エコ派の人なら一度は見たことがあるのではないでしょうか。

実はこれ、アクリルの毛糸を編んだだけのたわし。台所仕事も洗剤いらずで、ちょっとした油汚れや茶渋もさっと落ちる、万能のたわしなのです。

アクリルの毛糸は、ミクロの繊維がからみあって出来ているため、毛糸の溝が汚れをかき出します。フライパンにギトギトについた強烈な油汚れには向きませんが、日常の食器洗い程度なら洗剤も不要なので、環境にもお財布にもやさしい。手荒れしにくくなるのもうれしいですね。

その他にもガラス窓やお風呂洗い、洗面器の水あかなど、使い勝手はさまざまです。あまりにも便利なので、一度使ってしまうと手放せなくなりますよ!

2007年03月

vol.18 (2007/3月)

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木と森の不思議


木に囲まれていると、なぜ気持ちがよいのか。心が安らぐのか。木はどんな風に育っているのか?年輪ってどうやってできるの?
昨年11月に行われた山長商店の榎本光男氏による講演会。木にまつわる素朴な疑問や裏話まで、実に興味深い話をうかがうことができました。

大丸建設で使っている木は、紀州・山長商店で育てた樹齢50~60年生の杉がほとんどです。木肌がなめらかで美しく、実に素直な木。長年山を慈しみ、手を入れて下さっている榎本氏のお人柄がそのまま現れているような木です。榎本氏は人々に恩恵をもたらす木の魅力を、さまざまな角度から語ってくださいました。

木の伐採時期は、秋の彼岸から春の彼岸までの約半年。春から夏の間は水分をたくさん吸って幹を太くする、いわば成長期にあたります。一枚一枚皮をのせて幹が太り、1年に1つずつ、年輪が刻まれていくのです。

木の幹には、生きている部分と死んでしまった部分があります。外側はまだまだ生長を続ける形成層を有し、色も白くてやわらかいもの(白太)。一方内側は細胞が死んで固化し、骨のように木そのものを支えます(赤身)。

木は、光合成によって二酸化炭素から酸素を放出し、地球温暖化の救世主でもあります。組成も50%が炭素からできていて、炭にすれば燃料にもなります。
榎本氏は、「木の家は、木が山で立っているのと同じように建てるのがいちばん」といいます。柱のどちらが上でどちらが根っこか見分けるには、どうしたらいいでしょうか。

枝には葉がつき、その重力で下に垂れ下がってしまいます。しかし、木そのものは上に生長しようとする力が働きます。その努力の証が、節の形。年輪を巻いている節の中心が上向きだと、枝が上を向いている、つまり天に向かって柱が立っていることになります。

「そういう見方で無垢材の家に住めば、“ああ、自分は林の中で生きているんだ”と実感できるはずです。つまり、自然と交流しながら生きられるのです」と、榎本氏は語ります。
私たち大丸建設は木を使って家を建てる仕事をしています。これからも木の魅力を一人でも多くのお客さんに伝えていきたいと思っています。

なんでも情報局

春はもうすぐ!!桜を暮らしに取り入れてみませんか?


日本の春の風物詩、満開の桜。咲いたと思ったらあっという間に散ってしまう潔さや儚さが、かえって日本人の心を打つのかもしれません。舞い落ちる桜の花びらを手に受けとめ、暮らしにちょっとばかりの彩りを添えて見ませんか。

【桜湯】
桜の塩漬けをお湯で戻し、花の美しさと香りを愉しみながら飲む。見合いや婚礼の時によく飲まれる。
【桜ごはん】
桜の塩漬けを水で戻し、酒を加えてごはんと一緒に炊きこむ。仕上げに花びらを散らしてもかわいい。
【桜のお風呂】
桜の樹皮を煮出して浴槽に入れる。彩りに花びらを浮かべるときれい。桜の樹皮は湿疹や消炎効果があるとされる。
【桜チップのベーコン】
料理上級者は、桜のチップで豚肉をスモークしてベーコンづくりはいかが。

【番外編・桜肉】…桜のような美しい色をした馬肉は、別名「桜肉」と呼ばれる。
桜の季節にちなみ、居酒屋の春の定番メニュー。

2007年01月

vol.17 (2007/1月)

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謹賀新年「家づくりは100年の計」


明けましておめでとうございます。私たち大丸建設は、今年もお客様にとって安心して健康に暮らすことができる住まいを提供できるよう、日々努力を重ねていきたいと考えます。

「家づくりは100年の計」とは申しますが、大丸建設の家づくりは世代から世代に伝える、まさに「100年」の住処です。50~60年かけて育った杉のどっしりとした骨組み。時を経て美しい飴色に変化する無垢材の床、家族の思い出が刻まれてゆく柱のキズ…。自然素材ならではの変化は、10、20、50年経っても楽しめます。

また、ライフスタイルや家族構成の変化に対して柔軟に対応できるよう可変的な間取りを提案。長く住んでいくうちに、お子さんが大きくなって個室が必要になったり、逆に独立後は夫婦の趣味の部屋に改造したり、自宅介護が生じたり…と、住まいに求めるものは時とともに変わります。骨組みさえしっかり造っておけば、部屋に間仕切りをつけたりはずしたりして構成を変えることは可能なのです(木構造をしっかり造ることだけは安全上譲れませんが…)。

何よりも大切にしているのは、100年住める家をつくるからには、会社も100年先まで存続できるよう、大丸建設の思いと技術を次の世代につなげていくことです。現社長の2人の息子も跡を継ぎ、それに続く若いスタッフも育ってきています。これからの100年、ハウスドクターとしてお客様の住まいを大切に守ることを誓い、新年のご挨拶とさせていただきます。

なんでも情報局

“手前味噌”づくりにチャレンジしませんか?

最近、手づくり味噌がブームです。なかでも米麹を使えば、簡単に「我が家のオリジナル」、文字通り“手前味噌”の美味しさが味わえますよ。1年かけて味が熟成していく様子を観察するのもまた楽しいものです。

材料
・大豆……1kg
・米麹……1kg
・塩……500g
①. 一晩水に浸けてもどした大豆を大きな鍋でやわらかく茹で、熱いうちにつぶす。
②. 塩と米麹をさっくりと混ぜ合わせ、ペースト状にした大豆と混ぜて、こぶし大の味噌玉をつくる。
③. 消毒した陶器の瓶に2の味噌玉を投げ入れ、空気をしっかり抜く。
④. 表面を平らにならしたらラップで覆い、1kgの塩を重石にして半年~1年ほど熟成させる。

※夏はカビに注意!!

2006年11月

vol.16 (2006/11月)

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山や森に思いを馳せてみませんか…?


大丸建設の家づくりには、国産の無垢材は絶対に欠かせない素材。家を支える柱・梁などの構造材に使われるほか、床材、時には壁や天井としても使われます。どこの誰が手入れをし、伐った木であるかが分かり、まさに「顔の見える」素材。

紀州・山長商店産の樹齢50年以上の杉材は、天に向かって真っ直ぐに伸びた素直な性質に、なめらかで美しい木肌を備えた、「大丸の顔」です。和歌山県の山長商店は江戸時代に薪炭商としてスタートし、戦後すぐに「木育て」から伐採、製材まで行う木材商として実績を伸ばしてきました。今では5000ヘクタールを超す山林を所有し、60年の計を立てて下草刈り、枝打ち、間伐などの手入れを施し、1本の強く、美しい杉の木をつくります。

木目が細かく真っ直ぐに育った杉は、急峻な山の中で伐採・製材・乾燥されます。
乾燥時には木材としての強度を表す「ヤング係数」と「含水率」を計測し、
一定基準以上の品質を満たしたものしか出荷しません。
日本の森林は、手を入れることで維持され、次世代に伝わっていきます。

なんでも情報局

輻射熱で体の芯から温まろう

いよいよ、寒い冬が近づいてきました。最近、薪ストーブが見直されてきます。暖炉に火をくべ、燃えさかる火にあたれば、体ばかりではなく心も温まってくるのが不思議です。このような、体を芯から温める直火の熱を、「輻射熱」と言います。

気温が同じでも、太陽の光に当たるのとそうでないのは体感温度が違うように、人体、壁、床などに当たって反射し、部屋全体を暖めるのです。そのため、空気も汚しません。薪ストーブの上にポットや鍋を置けば、お湯を沸かしたり鍋物の保存にも重宝。せっかくだから、生きた「火」のある生活を見直してみてはいかがですか。

2006年09月

vol.15 (2006/9月)

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子どもは遊びの天才!木で遊ぼう


みなさんの周りにいる子どもたちは、どんなおもちゃで遊んでいますか?赤や黄色のカラフルな積み木。ピコピコと電子音が鳴ったり、ピカピカ光る戦隊もののおもちゃ。かわいらしいピンク色をしたプラスチックのおままごとセット……。どれも、子どもが好きそうなものばかり。ちょっと大きくなったらゲームという子どもも多いかもしれません。

では、みなさんが子どものころはどんなおもちゃで遊んでいたでしょうか?もしかしたらおもちゃは持っておらず、その辺にある草や石、木っ端、もしかしたら虫で遊んでいたかもしれませんね。それでも、遊びの思い出は楽しかったはずです。

自分で木工品を手づくりできることでお客さまに人気の大丸木工フェスタ。大人が椅子や踏み台など大物に挑戦している間、子ども向けには棟梁が毎回工夫を凝らしたおもちゃをつくってくれます。棟梁の手にかかればただの木切れも車や飛行機、お魚に変身。車には荷台がつき、木の車輪を走らせることができます。魚の口の先にくぎを出し、磁石のついた竿を使えば魚釣りができます。

また、目の前でおもちゃがつくられていく様子をみて、参加した子どもたちはとても楽しそうな表情です。幼いころからいつも大工さんが身近にあった大丸建設の安田ファミリーは、自然と木にふれる機会も多く、木は恰好の遊び道具でした。

ふだんは無口な大工さんがいとも簡単に木を使っておもちゃをつくってくれたりと、改めて木やものづくりの楽しさを感じ取っていったものです。息子二人が会社で働くようになったのも、そのような経緯があるからかもしれません。

今、子どもたちの周りには多種多様のおもちゃがあります。色も形も音も、そして素材も多彩です。しかし、子どもは「遊びの天才」。その想像力、可能性は無限にあります。木っ端一つを与えれば、それを飛行機にしたり、まな板に見たてたりして、ごっこ遊びをすることができます。何だっておもちゃにすることができるのです。ぜひ、お子さんと一緒に木の遊びを楽しんでください。

なんでも情報局

菊の節句を楽しもう


皆さん、菊の節句をご存じですか?9月9日は「重陽の節句」といい不老長寿のシンボルでもある菊にちなんだ節句の日です。ちなみに旧暦では10月30日です。

平安時代、紫式部や清少納言によって描かれた重陽の節句では、前夜のうちに菊の花のつぼみに綿をかぶせて菊の香りと夜露を染み込ませ、人々はその綿で顔や身体を拭ったとされています。浮き世の汚れをぬぐい去り、菊のパワーがいつまでも続く若さと美しさを与えると信じられていたのでしょう。

そのほかにも、菊湯に入り、菊の花を浮かべた菊酒を飲むなど、現代にも応用できそうな楽しみ方ができそうです。菊湯に使う菊は、観賞用や食用のものではなくリュウノウギク(野菊)の葉を使います。血行を促進して新陳代謝をよくし、老廃物を排出する効果があるようです。

また、東北地方では食用菊が生産されており、酢の物やお吸い物の具に使われます。この秋、暮らしに菊を採り入れて親孝行をしてみては?

2006年07月

vol.14 (2006/7月)

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木の家で涼しく暮らす


梅雨寒もとっくに過ぎ、蒸し暑い日が続きますね。木の家は、日本の暑~い夏の強い味方。建て方や住まい方の工夫次第で、快適に過ごすことができます。 例えば、庇を大きくつくることで、夏の強烈な日射しをカットすることができます。夏は太陽高度が高いので、軒が深ければ直射日光が屋内に侵入することもなく、むしろ軒による影が涼しい風を呼び込みます。軒先に打ち水をすれば、気化熱でさらに涼しさは増します。

庭の植物も涼を呼ぶには効果抜群。植物は葉が光合成し、二酸化炭素を吸って酸素を吐き出します。日射しが強いほど緑は深くなり、リラックス効果は抜群。植物に水を与えることで前述の打ち水効果+葉っぱからの水分の蒸散作用で、二倍に涼しさが増します。大きな樹木があれば適度な木陰をつくってくれます。

また、無垢の杉材ほど夏の強い味方はありません。さらさらと素肌になじむやわらかい質感で、裸足で歩けば誰もがその気持ちよさに驚くのではないでしょうか。木は多孔質のため、表面積が広くその分さらりとした質感が保たれているのです。木は蒸し暑いときは湿気を吸着し、乾燥すれば放出するという「吸放湿性」を備えています。そのため、室内の湿度はいつも快適にコントロールされます。

せっかくの性能だから、できれば肌に直接触れる部分は塗装せず、無垢のままにしておくことをお薦めします (水回りを除く)。 今はエアコンがあるため、ついついリモコンのスイッチを押しがちです。しかし、ちょっと工夫するだけで、快適な環境はすぐ手に入ります。さらりと浴衣を着流して、風鈴の音、うちわの心地よい風を愉しむ–。今年の夏は、風流を採り入れてみてはいかがでしょうか。

なんでも情報局

みかんの皮リサイクル法

この時季出回る夏みかん。中身はおいしくいただいて、皮はそのままゴミ箱へ……それではちょっともったいない、とっておきのリサイクル法があります。

1. 冬、みかんの皮が入浴剤になるように、夏みかんの皮も乾燥して入浴剤にできます。
天日で乾燥させて使いましょう。ただし、内皮の白い部分はとれやすく、湯船に浮いてゴミになりやすいので、予め取り除くかお茶を入れる不織布のパックに入れましょう。

2. 柑橘類の皮には、汚れを落とす成分が含まれているのをご存じですか? 
内皮の白い部分は蛇口やシンクなど、金属を磨くのに適しています。また、白い内皮と黄色い外皮を一緒にお湯で煮出して、濃いめのエキスを抽出すると、お風呂の洗剤になります。しつこい油汚れには向きませんが、人間の皮脂程度ならばさっとスプレーしてスポンジでこすり、水で流すだけで十分!

ぜひ一度試してみてください。
※この内容は、夏みかんに限らずすべての柑橘類の皮に当てはまります。なるべく無農薬のものを使いましょう。